被せ歯は実は脆弱
- 抜歯・被せ歯の基礎知識

患者さんにとって、治療した歯がいつまでもつかは、治療代や痛いかどうかとともに、一番気になることだと思います。とくにセラミックや陶器(とうき)でできた歯などのように、高いお金を出したにも関わらず、短期間でダメになったのでは、目も当てられません。
しかし、口の中で毎日機能する歯を、性格にいつまでもつと予測できる歯科医は、世界中でまず一人もいないでしょう。なぜ予測できないか、その理由は下記の3点です。
@ 口の中は、食事をするたびに何億というバイ菌が繁殖
歯がダメになる最大の原因である虫歯や歯周病は、すべて細菌による感染が原因です。たとえ、一日中ブラッシング(歯磨き)をしたとしても、口の中のバイ菌をゼロにすることは不可能です。
自分の歯にエナメル質がたくさんあるのなら、そこは簡単には虫歯になりませんが、差し歯などエナメル質を削って被せた歯はとても弱くて虫歯になりやすいのです。差し歯は歯より硬いので、二度と虫歯にならないと思っている人も多いのですが、それは大きな間違いです。金属やセラミック自体は虫歯にならないのですが、自分の歯との境目はエナメル質の何倍も虫歯になりやすいのです。手入れが十分されていてエナメル質が削られていない歯であれば、一生もつことも可能ですが、被せ歯が一生持つということはありえないのです。

A 噛み合わせの悪い人がほとんど
噛み合わせに全然問題ない人はとても少なく、加齢とともに噛み合わせがさらに悪化してくれば、治療した歯にいつ過度の負担がかかるようになるかは予測しにくいのです。
たとえば、ほとんどの人は前歯ばかりを気にしますが、奥歯が抜けていれば前歯に許容範囲を超えた力がかかり、必ず前歯に何らかの影響が出て、差し歯がとれたり歯が折れたりします。どんな立派な家を建てても、土台がしっかりしていなければ、地震などで簡単にくずれるのと同じです。
噛み合わせが悪く、負荷のかかる歯にセラミック治療をすれば、簡単にセラミックは欠けてしまいますし、どれぐらいもつかが断言できない最大の理由は、この噛み合わせが悪い人が多いということにあります。
B 体調や病期によって予後は違ってくる
歯茎(はぐき)の健康は、体調や病気によっても影響を受けます。歯周病の人は、寝不足や風と共に一挙に急性化して痛くなり、歯槽骨(しそうこつ)も溶け始めます。したがって、規則正しい生活をしている人とそうでない人とでは、歯周病の進行速度も違ってきます。ほかには、タバコを吸うと、歯周病が早く進行しますし、糖尿病になると唾液が出にくくなり、いくらブラッシングをしても、歯周病は進行してしまうことが多いのです。
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